2週間後、捜査が一段落したタイミングで、帝國銀行は再発防止策と共に内部の処分を発表した。
処分は人事部の当初案のままだった。田嶋が心配した人事部の責任は不問に付された。
再発防止策は以下の通りだった。
(1)類似事案の発生防止の観点から、原則すべてのお客さまに対して「当行職員の対応に不審な点がなかったか」等を確認するための調査を郵送により実施いたします。
(2)従来実施してきた部店長等の管理者によるお客さま訪問の対象範囲を見直し、牽制機能を更に強化いたします。
(3)渉外活動における現金の取扱いを抜本的に見直し、集金扱いの定期積金のお取扱いや個人のお客さまに対する集金業務等を原則廃止いたします。なお、集金業務等を原則廃止いたしますが、今後より一層地域の皆さまにさまざまな金融サービスをご提供できるように努めてまいります。
(4)部店長等による職員との個人面談等の実施を通じて、状況に応じて借入状況等を調査することで内部管理態勢を強化いたします。
(5)現在実施している内部通報制度に加えて、外部弁護士を介したアンケート調査の実施により深度ある調査を行い、抑止力を向上させます。