事実はケイザイ小説よりも奇なり

経済を、ビジネスを、小説を通じて学んでみる

帝国銀行、人事部38

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「それって」

「そう。岩井支店長は旦那さんがいながら、独身の稲垣さんと不倫していたの。でも真島さんが支店に来てから稲垣さんと真島さんが急接近して付き合うことになったの。周りのメンバーは二人が付き合っていることを薄々感づいているけど、二人は知られていないと思っているみたい。もちろん岩井支店長は支店のメンバーから聞いているはず」

 突然の話に田嶋の頭は内容を理解することで必死だった。話の内容がしっかり入ってこない。そんな田嶋を知らずか、山内の話が続く。

「稲垣さんと岩井支店長は、最初は上手くいっていたんだけど、数ヵ月で盛り下がったみたい。岩井支店長は若く見えるけど44歳。一方で、稲垣さんは28歳。会いたい時に会えず、なかなか一緒に泊まることも出来ないので、稲垣さん側から別れを切り出したみたい」

 山内は鼻にかかった、どちらかと言えばアニメの声優のような声で、大人の恋愛について語る。そのアンバランスさに田嶋はなおさら話に集中できない。

「山内さんは何でそんなに詳しく知っているの?」田嶋はとにかく山内の話の信ぴょう性を確認したかった。

「私は稲垣さんから直接聞いているから」