事実はケイザイ小説よりも奇なり

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【ヂメン】(ヂメンシノ事件93)

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 久しぶりに平野は自宅にいた。今日はゴルフもなく、単なる休みだ。先週、桜のピークを迎え、今は葉桜となっている。

 平野はくつろぎながら今のソファで妻と話をしていた。テーブルには妻が最近はまっている中国茶があった。

 「僕は地面という言葉が嫌いだよ。」

 「そりゃ、今回の事件があったから当たり前でしょ。私なんて地面師という言葉を初めて聞いたわ。」

 「いや、そんなことじゃないんだ。小学校の嫌な思い出なんだよ。」

 「あら、そんな話は聞いたことがないわね。どんな話?」

 「地面ってフリガナが特殊だと思わないか。土地って『とち』じゃないか。地球も『ちきゅう』だろ。だから、小学校の時のテストで『地面』の読み仮名を書く問題があった時に『ぢめん』って書いたんだよ。そしたら不正解にされてさ。納得いかないくて、先生に文句を言ったよ。先生は理屈じゃなくて、そういうものだから覚えろ、とだけ言っていた。子供だったからか、悔しくて、納得いかなくて。だからずっと覚えているんだよ。」

 「そんなことがあったんだ。じゃあ、あなたは地面とは相性が悪いのね。」

 「そうだよ。ハウスメーカーにずっと勤めてきたのにな。地面が嫌いなんだよ。」

(了)

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ヂメンシノ事件