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【3月6日プレスリリース】(ヂメンシノ事件83)

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 2月20日以降、様々なマスコミが満水ハウスのトップ交代をクーデターと報道した。奥平が様々なマスコミの取材を受けるため加熱していくのだ。

 奥平に接触しようとしたが、個人の携帯電話には全く出なかった。顧問弁護士からは、相手は全ての通話を録音している可能性があるので、平野自ら電話をすることは控えるようにアドバイスされた。素直に従い、平野は奥平への電話はやめた。それからは、顧問弁護士や法務部長に何度か奥平宛に電話してもらったが接触は持てていない。

 まずは、奥平を黙らせることが必要だ。顧問弁護士から会社名で内容証明郵便を奥平の居住場所と思われる所に送ってもらった。守秘義務違反の警告、それも具体的にどの程度の損害賠償を請求する可能性があるかを明確に記載した。また、文末には役員の退職金代わりであるストックオプションについても警告を添えた。

 マスコミ対策については社内で協議を重ね、取締役会の議事をもう少し詳しく開示すること、そして詐欺事件についての調査対策委員会報告書の抜粋を開示することを決めた。

 開示日は3月6日となった。奥平が反撃の行動を取ってから約2週間が経っていた。

 

当社取締役会の議事に関する報道について

 1月24日開催の当社取締役会(以下「本取締役会」といいます。)の議事運営に関し、様々なメディアから論評がなされる事態となっております。この様な事態となりましたことは誠に遺憾でありますが、当社としまして、今般の一連の報道は、取材を受けた関係者等の誤解や憶測又は個人的見解等が多く含まれていることによってもたらされたものと考えております。よって、当社としましては、事実関係の情報提供を必要と認める範囲で行うべきであると判断いたしましたので、本取締役会の議事の経過に関し、以下のとおりご報告申し上げます。

 本取締役会では、「平野社長の代表取締役及び社長職の解職の動議」(理由:分譲マンション用地取引事故に関する責任の明確化)及び「奥平会長の代表取締役及び会長職の解職の動議」(理由:新しいガバナンス体制の構築)その他動議が提案されました。

 前者の動議においては、その責任の在り方が議論され、後者の動議においては、奥平会長の業績や企業運営に関する様々な意見が取り交わされましたが、第1の議題となった「平野社長の代表取締役及び社長職の解職の動議」が否決された後の各議案の審議に関しては、分譲マンション用地取引事故の責任問題を理由とする決議は一切ありません。

 「平野社長の代表取締役及び社長職の解職の動議」は否決され、その後、議長が奥平取締役から 草薙取締役に交代され、また、2件の取締役会規則改定の動議が賛成多数で可決されました。

 そして、「奥平会長の代表取締役及び会長職の解職の動議」についての各取締役の意見の表明等を経た後に、奥平取締役より代表取締役及び会長職を辞任する意思が示されました。

 奥平取締役よりの辞任申し出を受けて、「奥平会長の代表取締役及び会長職を辞任する旨の申し出を了承する動議」が提案され、全会一致で可決されました。これを受けて「奥平取締役の代表取締役及び会長職の解任の動議」は取下げられ、採決はされませんでした。

 続いて、「奥平取締役を取締役相談役に選定する動議」が提案され、賛成多数で可決されました。

 ご報告は以上のとおりでございますが、本取締役会においては、2つの法律事務所より各2名の弁護士が陪席しており、これらの弁護士から議事運営に関する法的助言を受けながら、適法に議事が進められましたことを申し添えます。 以上

(続く)

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ヂメンシノ事件