事実はケイザイ小説よりも奇なり

経済を、ビジネスを、小説を通じて学んでみる

帝國銀行、人事部105

田嶋の脳裏に、いつかのエレベーターホールでの出来事がよみがえった。あの時も違和感を感じたが、今回は違和感というよりは、何かのアラームが頭の中でなっているようだった。 人事部の副部長に、銀行のOBで不動産会社の専務が頭を下げるなど、どう考えても…

帝國銀行、人事部104

「皆様が大事になさってきた愛甲石田支店は、商業施設として生まれ変わります。銀行の金庫は非常にめずらしい設備です。我々は、金庫を売りにした施設にしたいと考えており、既にテナントとしてのレストラン運営会社も内定しています。一日一組限定で、日本…

帝國銀行、人事部103

田嶋が伊東に対して、改めて疑問持ったのは、伊勢原市の愛甲石田支店の営業最終日に立ち会った時だ。愛甲石田支店は、元々近くに母店があることもあり、他の店舗よりも早めに店舗閉鎖を決定し顧客に案内していた。売却の入札も早々に終わっており、購入者は…

帝國銀行、人事部102

ある日、田嶋が再就職支援会社と打ち合わせを終え、応接室から出てエレベーターホールへ送っていく途中で、伊東がとなりの応接室から誰かと出てくるのが見えた。伊東と目が合うと、若干ではあるが嫌そうな表情をしていた。伊東と付き合いの長い田嶋だからこ…

帝國銀行、人事部101

ただ、田嶋の下には違う情報が入ってきてもいた。各店舗からは、人事部が来ているはずなの支店長や所属員との面談を行わなかったという噂話が入るようになった。徐々に神奈川県の旧Y店舗では、何のために人事部が同行しているのか分からないと言われるように…

帝國銀行、人事部100

この指針を見れば分かるように、銀行は積極的に外部へ店舗の空きスペースを賃貸できない。修繕も必要最低限としなければならず、その店舗で行われている銀行業務に比して過大ではない賃貸の規模とされてる。これでは、店舗を閉鎖した後に、空きスペースを大…

帝國銀行、人事部99

旧Yの神奈川における閉鎖店舗は、基本的には売却することになった。主に親密な不動産会社に声をかけ入札していくことになる。 銀行の店舗は好立地の場所に存在していることが多く、不動産としての価値は高い。よって、銀行は業績が厳しければ、店舗を不動産…