事実はケイザイ小説よりも奇なり

経済を、ビジネスを、小説を通じて学んでみる

【1月24日人事・報酬諮問委員会①】(ヂメンシノ事件59)

1月24日の取締役会当日は、午後1時より人事·報酬諮問委員会が開催された。 この委員会は会社のコーポレートガバナンス基本方針にも記載し公表している会社の正式な組織だ。 取締役の選任は株主総会の議決事項だが、取締役会が、取締役·執行役員の選解任等を…

【12月7日取締役会】(ヂメンシノ事件58)

12月7日の取締役会では関係者の処分が決議された。 まず、真中だが辞任となった。会社としては解雇はしなかったが自主的に満水ハウスからは去ってもらったということだ。 真中のマンション事業部長の役割は、暫定措置として東日本のアパート建築部署の担当役…

【11月30日真中と井澤③】(ヂメンシノ事件57)

「ちょっと待って下さいよ。何ですって。」 「私は五反田の詐欺事件の責任を取り、退職させて頂きます。本件では、平野さんにまで多大なご迷惑をお掛けすることになってしまい、本当に申し訳ありませんでした。」 「いやいや。どうしたんですか。まだ、委員…

【11月30日真中と井澤②】(ヂメンシノ事件59)

「失礼します。真中常務と井澤部長がいらっしゃいました。」 「分かった。通してくれ。」 平野が立ち上がりかけた時に、真中と井澤が入ってきた。 おや、と平野は思った。 真中はこんなに小さかっただろうか。顔色もあまり良くない。どす黒いといった表現が…

【11月30日真中と井澤①】(ヂメンシノ事件56)

今日は少し肌寒い朝だった。 平野は通常通り社用車で出社した。本社の地下車寄せで降りると、いつもの通り秘書の成田が迎えにきていた。高層階向けのエレベーターに向かう途中で今日の予定について報告を受けるのが日課だ。 「本日のご予定ですが、9時から経…

【秘書⑥】(ヂメンシノ事件55)

「他に誰も来なかったのかな。」 「はい。申し訳ないのですが、今回は私だけです。」そう言って成田が頭を下げた。 「いや、全然問題ないが若い女性とおじさんというのはちょっとね。」 「実は、今回は誰も誘っていないんです。」そう言って成田は早口に喋り…

【秘書⑤】(ヂメンシノ事件54)

「あ、社長。」いつもよりは少しだけ赤い顔をした成田が声をかけてきた。 「おう。」と声をかけすれ違おうとしたところだった。 「あの、二次会に行きませんか。一度行ってみたいバーが近くにありまして、お付き合い頂けないでしょうか。」 あまりにも意外な…